経営全般

株式会社の意味

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金融市場

魅力的な商品やサービスを開発することができ、さらにそれを売る力があれば、それだけで年商五億円までは可能です。

しかし、それを越えて五十億円、百億円規模の売上を目指そうというならば、商品市場のことだけしか知らないというのは大きなハンディキャップになるといわざるを得ません

会社というのは、商品やサービスを売って利益を稼ぐ商品市場だけではなく、お金でお金を稼ぐ金融市場(マネーマーケット)を利用することもできます。そして、会社の規模を拡大するために、後者の有効活用は不可欠です。

そこでこの記事では、株式会社フロイデ会長兼シニアパートナー 坂本 桂一さんが著書『年商5億円の「壁」のやぶり方』で語られている、株式会社の意味」をご紹介します。

坂本桂一

㈱フロイデ会長兼シニアパートナー、事業開発プロフェッショナル、山形大学客員教授。アドビシステムズ㈱(当時社名アルダス㈱)を設立しページメーカーをはじめて国内に独占契約で導入、日本のDTP市場をゼロから創造した。専門は、新規事業創出、ビジネスモデル構築、M&A。㈱フロイデ

株式会社の意味

株式会社という仕組みが生まれたのは、一六世紀から一七世紀にかけての大航海時代です。

当時のヨーロッパには、香辛料、綿、絹などを求めてアジア諸国と交易をする共同出資の貿易会社が林立していました。これが現在の株式会社の原型です。

その考え方や基本的な部分は、そのころもいまもほとんど変わっていません。

そこで、初期の株式会社の成り立ちをもとに、株式会社とはどういうものかということをここで簡単に説明します

アジアの物産を現地で安く仕入れ、それをヨーロッパの市場で売れば、差額で大きく儲けることができます。ちなみにこれを裁定取引(アービトラージ)といいます。

しかし、それをするためにはまず船、それから買い付けに行く船長と船員が必要です。もちろん買い付け費用も要ります。

仮に船の建造費を一億円、船乗りの人件費も同じく一億円、買い付け費用が五億円だとすると、最初に最低でも七億円の資金を用意しなければなりません。

そして、港を出た船が五億円分の商品を満載して帰港し、その積み荷が二十五億円(元値の五倍)で売れたとし
ます。

船の残存価額をゼロとするなら、船主である貿易商の儲けは、投資金額との差額である十八億円です(下図)。

株式会社の成り立ち

ただし、船が大西洋やインド洋を回り、無事に戻ってくるという保証はありません。それでも船をより大型にすれ
ば、安全性は高まります。

また、一度の航海で、それだけたくさんの商品を詰めるので、ビジネスとして考えればやはり船は大きいほうがいいのです。

そこで、船の大きさを十倍にしてみましょう(下図)。

株式会社の成り立ち2

ここではわかりやすいように、初期投資の金額もそのままの比率で十倍にしておきます。同じく積み荷の期待値も五倍です。

すると、初期投資七十億円に対し、航海が成功した場合の儲けは百八十億円です。

しかし、ここでひとつ問題が発生します。七億円ならともかく七十億円ともなると金額が大きすぎて、多くの人にとってこの話が、現実的な投資対象ではなくなってしまうという点です。

それでも、全財産を掻き集めたらなんとか七十億円になった人がいたとしましょう。そうしたらこの人は、このビジネスを実行に移すことができます。

でも、ちょっと待ってください。いくら船が大きくても、大嵐で沈没したり、途中で海賊に襲われ積み荷を奪われたりするリスクはゼロにはなりません。

そうすると、すべてがうまくいけばその人は百八十億円の利益を手にすることができる一方で、投資した七十億円をすべて失い、路頭に迷うかもしれないというリスクを、その人は引き受けなければならないということになります。この条件で喜んで勝負する人は、そのころも決して多くはなかったはずです。

船は大きくして取り引きの安全性を高めたい(大きい船ほど沈みにくい)。けれども、全財産を賭けるような勝負はしたくない。そんな上手い方法がないだろうか。

そして考えだされたのが多くの人から出資を募り、その金額の合計を原資として船をつくりアジアで交易を行って、首尾よく利益が出たらそれを出資割合に応じて配当するというジョイント・ストック・カンパニー制、つまり株式会社なのです(下図)。

ジョンストイック

ちなみに、当初はひとつの航海が終わったらそこで会社を解散し、配当と清算を行っていましたが、一六〇二年に設立されたオランダ東インド会社は、個別航海ごとに清算を行わず資本を継続する形をとったことから、世界初の株式会社といわれています。

年商5億円の「壁」のやぶり方をもとに編集)

 

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