ブランディング

お客様に選ばれるデザインの作り方。デザインでブランド力を高める。

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デザイン

商品力・サービス力には自信があっても、それをうまく市場に伝えることは難しいものです。しかし実は、そういった問題はデザインで解決することができます。

ここでは、広告代理店および制作会社にて三菱電機、日清食品、服部セイコーなど大手企業のクリエイティブを担当してきた、デザイナーのウジトモコさんが、著書『あらゆる問題解決の糸口になる視覚マーケティング戦略』で紹介している「お客様に選んでもらえるデザインの作り方」をご紹介します。

グラフィック(エレメンツ)解析

まずは、お客様に選んでもらえるような、ブランド力が高いデザインのポイントを知るために、デザイン分析の手法をご紹介します。

その分析方法とは、デザインの問題点を探すために現状のデザインをパーツごとにバラバラにして解析する方法で、「グラフィック(エレメンツ)解析」と呼ばれるものです。

デザインをできるだけ最小単位のパーツに分解し、構成要素を探ることで商品を客観的に分析できるようになります。

ブランド価値が高いものほど情報が整理されている

ここでは「プライベートブランド(PB)のアイスコーヒー」「缶入りトマトジュース」「アップルのiPhone5s」という異なる3つの製品を分解して、そのデザインを比較します。リサーチ結果である下の一覧表を見渡してみると、何かお気づきになりませんか?

グラフィックエレメンツ解析

おもしろいことに、ブランド価値が低く商品単価の低いものであればあるほど、ロゴやコピーといった情報が数多くパッケージに施されていて、ブランド価値が高いものほどロゴは最低限の数しか入っておらず、情報はスッキリと整理されています。

1つめのPBのアイスコーヒーと2つめのトマトジュースは「情報を入れたいという気持ち」が「情報を見る人の気持ち」を上まわってしまっています。

アイスコーヒーの写真がメインに大きく入っていて、アイスコーヒーや飲料の売場にあるのに、はたして「アイスコーヒー」という文字やロゴはこんなに必要なのでしょうか。

また、トマトジュースも、「リコピン○○グラム」や「トマト100%」など、機能の説明はこれほど必要なのでしょうか。これらはおそらく、過去のデータを分析してマイナーチェンジを繰り返したことによって、必要でない情報の入れすぎを招いてしまっていると考えられます。

日本国内では、ロゴを入れすぎたり、商品情報を詰め込みすぎたりという場合を多く見かけますが、これはパッケージデザインだけに限りません。ウェブサイトしかり、パンフレットしかり、企業が外に出す情報のいたるところでよく見られる傾向です。

グラフィック(エレメンツ)解析をおこなうことによって、主観的にしか見ることができなくなったデザインに対して、冷静さや客観性を取り戻して「対象を見る」ことができるようになります。ですから、過去の売り上げデータや統計データから未来を占うのではなく、このような分析をしたうえで、商品、または企業として本当に見せたい価値は何なのか、目指すべき方向性はどこなのか、それらをまず決めることがスタートになります。

分解してわかる3つのポジション

商品というのは、どういう立場で消費者とコミュニケーションをとるかによって、その価値観が変わってきます。商品の立ち位置をなるべく有利にしてあげるポジション取りがうまくいくと、競合と正面からぶつからずに勝負することができるようになります。

先ほどのグラフィック(エレメンツ)解析を使ってパッケージデザインをいったん分解すると、商品の立ち位置や背景がわかります。商品の立ち位置は大きく次の3つに分けられます。

  1. PBあるいはブランドが弱い商品……価格と品質のバランスと営業力で戦う商品
  2. 機能性商品……製造元・販売元でなく、機能や効能で評価される商品
  3. ブランド商品……価値が認められている商品

①のPBやブランドが弱い商品、たとえば、先ほどの1パッケージに6個もロゴが入っていたアイスコーヒーは価格と品質のバランスによって売れていますが、このままではいつまで経っても品質と価格のバランスで勝負しているグループから抜けられず、ブランド
品にはなれないでしょう。

②の機能性商品は、製造元やブランド名に関係なく、機能や効能がユーザーの要望に適している、良い性能であるために選ばれている商品になりますが、機能・効能は競合が追随してくる可能性が高く、しだいに価格競争に陥るため、こちらもブランド品のような高
価格帯で勝負することはなかなか難しい商品です。

③のブランド品は、顧客に「こだわりを持って買いたい」「お金を払いたい」と思わせる商品・サービスの立ち位置になります。スターバックスの市販品アイスコーヒーは「ICED COFFEE」という商品名よりもスターバックスのロゴシンボルの方が明らかに目立つようにデザインされています。これは当然、商品名を押し出すよりもブランド名を打ち出す方が、売り上げにつながるからです。

商品の3つのポジション

商品の3つのポジション

商品力・サービス力はブランド力で決まる

もし、あなたの商品のパッケージデザインがブランドをきちんと押し出していない場合、「私たちにはブランド力がないので、値段で勝負します」と、最初から負けを認めてしまっている状況とも言えます。

また、「何を最もメインに打ち出しているか」が商品の立ち位置を決めるというシンプルなコミュニケーションの法則は、パッケージデザインだけに該当する話ではありません。会社自身のブランド、つまりマスターブランドにもまったく同じことが言えます。会社案内パンフレットやウェブサイト、または展示会での演出も同じようにバラバラにしてみることで、企業として何をメインに打ち出しているのかが見えてきます。

商品・サービス力を上げるには、マスターブランドの価値を高めることが不可欠です。

ブランド力を打ち出したければブランドを打ち出す。

もし、あなたの会社が商品・サービス力を高めて価格競争に巻き込まれたくないと思っているなら、マスターブランドの価値を高める戦略を考えましょう。その手始めに、まずはブランドロゴをメインにレイアウトするという方針に転換をはかることを、おすすめします。

(この記事は『あらゆる問題解決の糸口になる視覚マーケティング戦略』をもとに編集しています)

まとめ

「グラフィック(エレメンツ)解析」と「ブランド力を打ち出すデザイン」で、価格競争に巻き込まれない商品・サービス力を手に入れることができるはずです。あなたの会社や消費のブランド力を高めることに、是非活用してみてください。

『UJI-PUBLICITY』のご紹介

ウジトモコさんが代表を務める『株式会社 UJI-PUBLICITY』のホームページでは、実際に制作された企業のロゴデザインやWebサイトの実績などが紹介されています。参考になるものがあるかもしれないので、こちらも是非チェックしてみてください。

また、書籍『あらゆる問題解決の糸口になる視覚マーケティング戦略』では、この記事で紹介した内容の他にも、「売上が上がらない」「良い人材が確保できない」「差別化できない」などの悩みをデザインの力で解決する方法を紹介しています。

 

 

 

ウジトモコ 著『あらゆる問題解決の糸口になる視覚マーケティング戦略』
伸びている企業は、左脳から右脳へと思考をシフトしています。デザインを戦略に取り込み、問題解決を図っています。なぜ、多くの経営者から次から次へと佐藤可士和のもとに仕事の依頼が舞い込むのか? ビジネスを飛躍させる可能性をデザインに見出しているからです。どこの企業でも抱えているような「売上が上がらない」「良い人材が確保できない」「商品力がない」「差別化できない」などの悩みを解決するのが視覚マーケティング戦略です。Amazonで書籍の詳細を見る。

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