経営全般

プロ経営者が語る、日本人に合っている経営とは?(中編)

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園山征夫

元ベルシステム24社長、園山征夫氏に聞く!

売上19億円だったベルシステム24を1,000億円超の一部上場企業にした経営者である園山征夫氏へのインタビューを全3回にわたってお届けしている。

前回の記事
日本人に合っている経営(前編)

社員のベクトルが一つになる瞬間

―ベルシステム24の社長に就任した時は、負債もある経営危機の状態だったと聞きました。当時、社員の方々のモチベーションはどうだったんでしょうか。

園山 最初は、非常に低かったです。そして、疲弊していました。
会社が倒産しそうってことをみんな分かっているんです。
まず、事業戦略を明示して社員と色んな約束をして、会社の方向性を提示しました。
「みんなで頑張ればこう変わる」、「会社がそうなった場合には企業水準を含めてこうなる」、と具体的な姿を明示して、何回も説明することで社員の心が一つになっていきました。
社員の心が一つになる瞬間は、化学反応と同じなんです。圧力釜に化学物質を入れて、温度を上げ、圧力をかけると何かが生まれます。その時に、触媒を入れて、反応を促進させるんです。最初はインプットとアウトプットの流れが色々な方向に流れてぐちゃぐちゃになります。ところが、ある瞬間から一本の筋道が出来てくるんです。これは人間の組織も同じです。50%を超えると、反対の人も一気に賛成に変わります。その瞬間、社員のベクトルが一つになってエネルギーが集約されたなと感じるんです。

そこに至るまでに、3年かかりました。その間、ディスカッションし続けたんです。当時は、お金もなかったから、おにぎりを食べながら議論してましたね。3年経つと、もう阿吽の呼吸で私が一つ言うと社員は理解して行動してくれるようになりました。これがプロの経営だと思っています。社長がいちいち現場に言わないと動かない組織のほうがまずいわけです。

社員を物理的な物体として考えるのは最悪

―計画を達成できる組織を作ることが、まず大事だと。

園山 経営者のうち10人中1人は、そのことがパッと分かります。そういう人は伸びるんです。人間は肉体を持ち、感情を持っていますよね。本当は魂も持っているんです。それらを含めて、社員のことを考えなければいけない。このことをわかっているかどうかです。社員を物理的な物体として考えるのは最悪です。

―魂、難しい言葉ですね。

園山 宇宙の中でたまたま人間が生かされている、人間は宇宙の根源たる何らかのものの影響を受けて生きている。経営者は社員にこの意識をもって向き合う必要があります。声に出して言う必要はないですけど。この意識があると考え方が変わります。
その人がビジネスマンとして、どのように良い成長をするかが大事になってくるんです。
そこから、その人の成長を経営側としてどうサポートすればいいのかと考えるんです。そうすると、とても楽なんですよ。私が色々言わなくても、社員が自分で行くわけですから。

社員の人生にとって役に立った期間だったと思えるように

園山 ビジネスマンとしての生活は40~50年だとすると、会社で働いた時間が社員の人生にとって役に立った期間だったと思えるようにしないといけない。10年まずい時間を経験したとすると、その後の人生でいいビジネスマンとして成長できるかといえば難しい。経営は社員の行き先にも影響を与えるので、非常に責任が重い仕事だと思います。

本来、教育研修制度なども会社のためだけでなく本人のためという意識でやらないといけないんです。会社のためだと、コスト高になるからやめたという結論も出かねない。この発想だとたぶん、40年後会社に勤めてよかったとは評価されないですよね。私は幸いながら、退職した人みんなに働いていて一番良かったと言ってもらえるということは、多少その考え方が影響したのだと思います。そうでなきゃ不幸ですよね、お互い。

次の記事
『 プロ経営者が語る、日本人に合っている経営とは?(後編)

 

 

園山征夫 著『礼節と誠実は最強のリーダーシップです。』
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