社内コラム

プロ経営者が語る、日本人に合っている経営とは?(後篇)

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園山征夫

元ベルシステム24社長、園山征夫氏に聞く!

今回はいよいよ後篇です。

前回までの記事
『日本人に合っている経営(前篇)』
『日本人に合っている経営(中篇)』

話す側は、聞く側の10倍の力がいる

―社員と一つのベクトルになるには、話し合う時間が重要だったんですね。

園山 社員が腹落ちするのが重要です。人がモラルアップするには何かをきいて、「そうだよな」と腹落ちしなければ変わりません。数学の問題でも、やっと解けたときに「こういうことなのか」と腹落ちする瞬間がありますよね。あれと、同じです。相手から何か言われたときに最初は「えっ」思う。けど、深く聞いているうちに「そうかもしれないな、その通りだ。」と納得する。こうなると人間は自動的に動くんです。腹落ちしないと人間は積極的に動こうとはしません。人間の脳は現状を維持しようとして、わからない事に対して抵抗する構造になっています。だから簡単には人は動かない。

―腹落ちするまで話さないといけない、と。

園山 そうです。腹落ちするには、話す側に聞く側の10倍の力が必要になります。
話の十分の一しか理解されない、という前提で話す側が伝えないければいけないんです。情報を受ける側が悪いとなったら話になりません。話す人の意識を変えないといけないんです。
そこは、世の経営者にとっても重要です。立派な経営者は、話し方が上手いですよね。その人の話を30秒聞いたら分かります。この人は、分かった上で話しているかどうか。
この人は部下をマネジメントできているかいないかもすぐ分かりますよ。部下の顔見るとわかるんです。

本当のマネジメントとは?

―いい顔しているってことですか?

園山 目つきが違うし、周辺に現れている空気が違います。会社の雰囲気は、入口だけで分かるんです。みなさんも、周りの人が声を掛けるまでもなく、「この人、悩んでるな」って分かるときありますよね。責任感があればある人ほど、疲れや悩みは言ってきません。しかし、それでは最終的に燃え尽き症候群になってしまいます。燃え尽き症候群になったら、簡単には治りません。自分や家族にとって、非常に不幸なことです。その前に上司が気づいてあげるのが本当のマネジメントです。その意味でも人間を見るという観点を、日本の経営者は身に着けていかないといけない。給料を払う対象者として社員を見るとおかしくなります。「あいつを採用して困ったもんだ」と考えてはいけないんです。採用した以上は採用した側に責任がありますから。

―ここで、マネジメントが重要になるんですね。

園山 どこの会社でも「詳しく指示されない限り仕事しない」っていう人はいません。マネージャーが「分からなかったら近くの人に聞いて」と言える関係をチーム内で作れると力がついてきます。ただ3人いたら、3人の力です。しかし3人を束ねる人がいると、3以上になります。それがマネジメントです。こういうことを話すと、マネージャークラスは自分が足りないことが分かるから自ら努力します。でも、社長が悪いところを指摘すると段々おかしいことになってしまうんです。

親分っていうのは我慢が仕事

―そこも口を出してはいけないんですね。

園山 基本はしません。一度任せたからには、否定して何かが改善されるかというと、まずしないと思います。否定された本人自身、自分が悪いとは思っていないから。ついつい言いたくなってしまうんですけど、親分っていうのは我慢が仕事です。我慢して我慢して、こういうことを言ったらモラルダウンするかなと考慮しながら話しかけるんです。

―我慢が仕事ですか。

園山 経営を預かっている社長の立場からすると、誰が悪いと言っても意味がないんです。それは自分の経営が悪いということの裏返しですから。悪い原因の5割が経営、幹部が3割、末端の社員は2割だと思うんです。そういう意味で経営者はプロじゃなきゃいけないと僕は思っています。経営が悪いと水が上から下へと流れないんです。ここがなるべく洗練された経営者として成長しないと社員が苦労する。

プロは戦略をしっかり立てられる

―プロとそうでない経営者は、何が一番違いますか。

園山 一番違うのは、プロは戦略をしっかり立てられることです。そして、目指した目標に対して計画通りに着手させられる。それがプロだと思います。
計画は達成されるものなんですよ。だから、事前の計画策定が大事なんです。経営と現場でディスカッションを重ね、合意し一年間走るのが計画です。この合意がないまま仕事を進めると不幸が起きます。双方違うことを思ってるから。達成出来ないと、「なんでできないんだ」って怒るけど、怒られた人は「数値に合意した覚えがありません」となってしまいます。ここで齟齬が生じるんです。これは避けなければいけません。

―計画は実現するもの。やはり、そこにも合意とディスカッションが必要なんですね。
今日は人に対する考え方をはじめ、経験からくるお話がお伺い出来て勉強になりました。お時間ありがとうございました。

園山 ありがとうございました。

園山征夫のビジネスコラムのご紹介

今回は3回にわたって経営をテーマに、お話を伺いました。『園山征夫のビジネスコラム』では、経営やマネジメントについて、園山氏の20年間の経営体験を踏まえたコラムが連載されています。また、著書『礼節と誠実は最強のリーダーシップです。』では仕事と人間関係の大切さを48の項目で紹介しています。

 

 

 

園山征夫 著『礼節と誠実は最強のリーダーシップです。』
「信頼を得る」ことから、すべてが動き始める。部下を持ち、取引相手の格も上がりはじめる30代、40代のビジネスマンに向け、「会社のカネの使い方でわかる、あなたのマネジメント度」「礼の仕方でわかるあなたの魅力」「別れ方の綺麗さでわかるあなたの人格」「ビジネスマンとしての成功とは何か」など、仕事と人間関係の大切さを48の項目で述べていく。Amazonで書籍の詳細を見る。

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